クラファン・マーケティングのススメ

第3回 クラウドファンディングのページを最後まで読んでもらうために

クラウドファンディグのページは、縦に長い1枚のWebページで構成される。ページの作りが、支援の行動を左右するのは明らか。開く前の一覧画面での見え方や、ページそのもの、スマホでの見え方など、チェックする項目は盛りだくさん。その中でも最も重要なことを、クラウドファンディング・アドバイザーの ペー さんに教えてもらった。

タイトルとアイキャッチは最も重要!
栃尾

クラウドファンディング(以下、クラファン)はページ作りがとても大事だと思いますが、その中で、テキストの要素ではどんなことが大事ですか?

ぺー

まずは「タイトル」ですね。文字数が決まっていて、例えばCAMPFIREは40文字。できるだけ多く使ったほうがいい。30文字以上が理想なんです。文字数が少ないとやる気がなさそうに見えるし、多ければプロジェクトがいっぱい並んでいる一覧ページで存在感が増します。

栃尾

「短くカッコいい」みたいなものより、長いほうがやる気が伝わるんですね! 文字数以外はどうですか?

ペー

できるだけ具体的な名詞使ったほうがいいです。NGなのは「すごい」「わくわく」「もっと」とか抽象的な形容詞や副詞ばかりが並んだふんわりした感じ。それではあまり響かないんですよね。具体性が必要です。クラファンのサイトでタイトル一覧を開いて、具体的なものとそうでないものという観点で見てみると、ダメな例もわかってくると思います。また、タイトルは周囲の人に聞いたりして、「想像できるか」「見てみたいと思うか」を聞いてみるといいと思います。

栃尾

タイトルの次に重要なのは何ですか?

ペー

見出し画像となるアイキャッチですね。クラファンのトップページにタイトルと共に乗るし、一番目立つので気合いを入れた方がいい。ビジュアルに力を入れないと、「やる気ない感」が出てしまう。作るときには、一番大事なものをしっかりと見せること。プロダクトなら、その写真と「何をするものなのか」がわかる説明。商品名があってもいい。伝えたいものを明確にして、それを表すようにします。

本文は「画像7」対「文字3」くらいの割合で
栃尾

タイトル以外の本文についてはいかがですか?

ぺー

僕がいつもアドバイスするのは、テキストより画像の比率を圧倒的に多くすること。画像の占有率が多くないと、読む気がしないんですよ。画像が6~7割、テキストが3~4割くらいを心掛けてほしい。ストーリーなどをしっかり伝えようとすると、どうしても文字が多めになりがちなのですが、ストレスなく読んでもらえないと、支援してもらえません。文字がたくさんあると飽きちゃって下までスクロールしてくれなくなるんですよね。

栃尾

ええー! そうなんですね。でも、ビジュアルを用意するの大変なのでは……?

ぺー

画像と言っても、写真をいっぱい入れるということではありません。文字も画像にする。文字の大きさや色、フォントを変えてグラフィカルに読みやすくすることがポイントです。ちょっと挿絵を入れてみるのもリズムができるのでいいですね。リズムといえば、大事なのが各コーナータイトルを「オビ」にすることです。文字だけだと、目に飛び込んできにくい。左右いっぱいに色を変えた帯状にするとか、太目の下線を左右いっぱいに引くなど、縦スクロールの流れを一回明確に区切ることが大切なんです。

最後のチェックは絶対にスマホで!
栃尾

文字を画像化すると、スマホで見るときに改行されないから注意が必要ですね。

ぺー

そうです。ページのチェックは「絶対に」スマホでした方がいい。ページの作成はほとんどの人はパソコンでやるので忘れられがちですが、半分くらいの支援者がスマホで見ています。例えば、画像内に挿入している文字が、パソコンで見るとそれなりに大きな文字で読めても、スマホで見るとすごく小さくなって読めないなんてこともよくあるので気をつけてくださいね。

栃尾

確かに、パソコンで作っていると気づかないことが多いでしょうね。

ぺー

あと、リターンの文章は、本文に書かれていることでもしっかり書いてあげた方がいい。スマホで見ていると、画面を何度も行ったり来たりできないですし。とにかく、作るときはパソコンでも、「チェックはすべてスマホで」と考えるくらいでちょうどよいと思います。

初めてクラウドファンディングのページを作る人は、文字を多くしてしまいがち。でも、読む人の気持ちを考えて、負担にならない工夫が必要だ。また、パソコンで作っても、必ずスマホで確認するというのは、人によっては盲点かもしれない。陥りがちなミスをつぶしながら、ページを作りたいもの。次回は、クラウドファンディングの醍醐味である、「ファンの巻き込み方」を聞く。

ぺー@クラウドファンディング・アドバイザー
今までにクラウドファンディングを2度実施し、合計4,500万円、7,000人以上の支援を集める。その時のノウハウを元に、クラウドファンディングに挑戦したい人に対してサポート・コンサルティングをしている。マーケティングの他、iPhone(スマホ)に詳しく、行政書士の資格を持つなど多彩。プロフィール画像は、漫画家三田紀房先生のドラゴン桜2が好きで描いてもらったもの。noteでクラウドファンディング基礎講座(https://note.mu/peee)を連載中。問い合わせはTwitterのDMで https://twitter.com/pe_e_chan

栃尾江美
ストーリーと描写で想いを届ける「ストーリーエディター」。ライターとして雑誌やWeb、書籍、広告等で執筆。数年前より並行してポッドキャスターも