先ほどのブログ形式のオウンドメディアでは記事の形式がある程度決まっていたが、動画や記事、キャンペーンなどさまざまな情報が掲載されているサイトではどう考えればいいのだろうか。参加者からの質問で上がったサイトの事例は、購買がゴールではなく、会員獲得にKGIが設定されたサイト。実際に開いてみると、数多くの商品を展開している企業の例だった。
「購買を直接のゴールとせず、その中間に他の狙いを定めているケースは多いです。ある商品を目当てにサイトを訪れた人に他の商品を知ってもらえば、企業理解が広がります。この場合は『広がりのスコア』が良いでしょう。見たことのある商品の種類数がデータでとれますから、これが増えるほどに広がりがあると捉えます」
また、企業理解という意味では、企業理念のページの精読をスコアとしてもよい。訪問者の関心の対象が商品から企業へと徐々にシフトしていく様子を数字で把握することができるようになる。
「例えば、好きなタレントが登場する動画を2週間に1回見ていた人が、数ヶ月かけて企業や商品に対する理解度や広がりスコアを高めつつ訪問頻度が3日に1回になった、という変化をぱっと見で理解できるガントチャート的なビジュアライズも可能です」
これらは、必ずしもサイトにログインさせて顧客IDと結びつかせなくても、Cookie(クッキー)でも捕捉することはできる。他にも、さまざまなタッチポイントによって接触頻度と関係性を強め、企業や商品の理解を徐々に深めてもらいたいのであれば、長期的な視点で継続的にレポートをウォッチする必要がある。