Kindleの端末は、小売のアマゾンにとって初めての「メーカー」としてのビジネスでした。そのため、米国本社からのPRガイドラインが通常よりも厳しく、機能的なスペック部分を前面に出さなくてはならなかったんです。それは、私たちPRマンとしてはとてもやりづらい。スペックの優位性って、どうしても『コト化』しにくいんです。本が好きな人や読む人に広くあまねく届けることが最終的な目的ですから、「そのスペックで何が可能になるのか」、「他社製品と何が異なるのか」、など質問を受けました。また、女性からは「黒い端末は女性的にはNGだよね」という声を聴いていました。どうしてもビジネス的には新しいテック系ツールが好きな男性層に焦点が当たりがちで、女性が二の次になってしまっていました。