最初に紹介したのは「背伸びのストレッチ」。次の6つのステップで実施する。
1.両足をこぶしひとつ分ほど開けて立つ。足の人差し指が平行になるように。
2.親指の付け根、小指の付け根、かかと、の3点でしっかりと立つ。
3.手のひらを組んで外側に向け、腕を体の前に伸ばす。
4.腕をいっぱいまで伸ばしたまま手のひらを頭の真上まで持っていき、
顔の向きも手の甲を見るように追いかけて上を向く。
5.腕はそのまま上に残して、顔だけを正面に戻し、おなかをへこませるように体を伸ばす。
6.両手を横に開いて体の両脇からゆっくりと下ろす。
「足を平行にして立った時点で違和感がある人がいます。これは普段、足を広げて使っている方が多い。違和感があるのは変な癖がついているからなので、気にせず平行にしてやってみてください。足の裏の3点がついた状態で、左右に身体を動かすと、重心が定まって安定してくるのがわかります。しっかりついている感覚のない人は、指をいったんすべて浮かせて、親指をおろしてからゆっくり他の指を下ろしてみましょう。それでしっかりと付く感覚があると思います」
オンラインモニターを通して、参加者も一緒に背伸びのストレッチをスタート。数回やってみると、肩甲骨に血が通うような感覚がある。リモートワーク中も1時間に1度休憩を入れることを心掛け、このストレッチを数回やるだけで少しずつよい姿勢になり、普段から肩や肩甲骨が痛い人や、違和感がある人は少しずつ良くなっていくはずだ。
事前に行ったアンケートでは、1時間に1回の休憩をとっている人はとても少なかった。このストレッチを頻繁にやるほどつらさが和らぐという。ずっと座りっぱなしで背骨を曲げたままにしていると、骨と骨の間にある椎間板がつぶされた状態になり、休憩を挟まないことで戻らなくなってしまう。結果として、腰の曲がった老後に直結するので、1時間に1度を面倒だと思わずに継続的に続けられるように意識しましょう。