リモートワークで体に支障が! 日々の工夫で姿勢改善

第2回 リモートワークでも1時間に1度はストレッチを

姿勢の大切さを説明した1回目に続き、2回目からは実践編だ。効果的なストレッチをいくつか試しながら、在宅でのデスクワークで陥りがちな不調を改善していく。できれば1時間に1回は軽い休憩を入れてストレッチをすることで、体の痛みや不調、姿勢が改善されていくという。今回も、姿勢治療家Ⓡとして活動中の仲野孝明さんにオンラインで指導してもらった。

まずは自分の状態を壁を使ってセルフチェック
【調子がいい!がずっと続くカラダの使い方 仲野孝明著(サンクチュアリ出版)より引用】

セミナー参加者には、事前に姿勢のテストをしてもらっていた。壁に背中を付けるチェックだ。壁にかかとを付けて立ち、おしりと背中も付ける。その際に、以下の5点が壁に付くかを確認するというものだ。

1.かかと
2.おしり
3.頭
4.肩甲骨
5.ふくらはぎ

それに加えて、腰と壁の間に手のひらが1枚分入るかどうかをチェックする。

「事前に行ってもらったセルフテストにおいて、肩甲骨がつかない人が1人、ふくらはぎがつかない人が2人いました。この状態の人は姿勢がゆがんでいるので、これから紹介するストレッチをこまめにやってみてください。また、背中と壁の間に手のひらが1枚以上入ってしまう人が10人ほど。その人たちは、後半に紹介する股関節ストレッチを継続的にすることで姿勢が変わります。逆に、背中と壁の間に手が入らない人は、背骨を曲げた悪い姿勢で座っていることが考えられます」

疲れにくい正しい姿勢を手に入れるため、これから紹介する仲野さんおすすめのストレッチを1時間に1回ぐらいのペーズで実施するといいという。

背伸びのストレッチ

最初に紹介したのは「背伸びのストレッチ」。次の6つのステップで実施する。

1.両足をこぶしひとつ分ほど開けて立つ。足の人差し指が平行になるように。
2.親指の付け根、小指の付け根、かかと、の3点でしっかりと立つ。
3.手のひらを組んで外側に向け、腕を体の前に伸ばす。
4.腕をいっぱいまで伸ばしたまま手のひらを頭の真上まで持っていき、
  顔の向きも手の甲を見るように追いかけて上を向く。
5.腕はそのまま上に残して、顔だけを正面に戻し、おなかをへこませるように体を伸ばす。
6.両手を横に開いて体の両脇からゆっくりと下ろす。

「足を平行にして立った時点で違和感がある人がいます。これは普段、足を広げて使っている方が多い。違和感があるのは変な癖がついているからなので、気にせず平行にしてやってみてください。足の裏の3点がついた状態で、左右に身体を動かすと、重心が定まって安定してくるのがわかります。しっかりついている感覚のない人は、指をいったんすべて浮かせて、親指をおろしてからゆっくり他の指を下ろしてみましょう。それでしっかりと付く感覚があると思います」

オンラインモニターを通して、参加者も一緒に背伸びのストレッチをスタート。数回やってみると、肩甲骨に血が通うような感覚がある。リモートワーク中も1時間に1度休憩を入れることを心掛け、このストレッチを数回やるだけで少しずつよい姿勢になり、普段から肩や肩甲骨が痛い人や、違和感がある人は少しずつ良くなっていくはずだ。

事前に行ったアンケートでは、1時間に1回の休憩をとっている人はとても少なかった。このストレッチを頻繁にやるほどつらさが和らぐという。ずっと座りっぱなしで背骨を曲げたままにしていると、骨と骨の間にある椎間板がつぶされた状態になり、休憩を挟まないことで戻らなくなってしまう。結果として、腰の曲がった老後に直結するので、1時間に1度を面倒だと思わずに継続的に続けられるように意識しましょう。

肩甲骨と大胸筋のストレッチ
【調子がいい!がずっと続くカラダの使い方 仲野孝明著(サンクチュアリ出版)より引用】


次に紹介するのが、肩甲骨のストレッチだ。ステップは次の5つ。

1.背伸びのストレッチ同様に正しい姿勢で立つ。
2.両手の指を肩の上に添えて、肘を肩の横に水平になるようにする。
3.そのまま、肘を体の正面でくっつける。
4.左右の肘を付けたまま、肘をできるだけ上に動かしていく。
  肘同士が離れたらそのまま肘を肩の上に持っていく。
5.肘を大きく左右から降ろし、2の状態に戻す

このとおりにやると、肩に手をそえたまま、肘をぐるりと回転させることになる。肩甲骨の可動域が狭くなっている人や五十肩に悩む人におすすめのストレッチだ。

「痺れそうになる方もいるかと思いますが、それはずっと同じ姿勢でいるため、使っていないところが多すぎます。やればやるほど変わってくるので、これを5回くらいやります。その後に逆回しをやってください」

仲野さんがオンラインの画面上で実際にやってみせながら、細かくやり方のポイントをレクチャーしていく。これも、デスクワークの合間に何度もやるといい。

「1時間に1回、半月ほど続ければ身体が変わってきたのを実感できるでしょう」と仲野さん。一度やれば覚えられるので、ぜひともこまめにストレッチを取り入れていきたい。

不調はすぐに改善するわけではなく、姿勢を正してこまめにストレッチすることで少しずつ良くなっていく。集中して仕事をするのも大切だが、つらくなる前に短い休憩を入れて体の状態を正しくリセットしたい。次回は、疲れない座り方や下半身のストレッチの紹介に加え、快適な仕事環境の作り方についても紹介する。

調子いい! がずっとつづく カラダの使い方 Kindle版 仲野孝明(著)

仲野孝明さん
姿勢治療家創設者。一般社団法人日本姿勢構造機構代表理事。株式会社 N-Style代表取締役。仲野整體東京青山院長。柔道整復師。柔道家整復師認定スポーツトレーナー。介護予防運動指導員。1973年三重県生まれ。180万人以上の患者数と二度の藍綬褒章受章を誇る、大正15年創業の仲野整體の四代目に生まれ、自身もこれまで0歳から108歳まで15万人以上の 患者を治療する。