Web広告支援のHagakure代表である奥雄太さんに、SEOやWeb広告のポイントを教えていただく。第2回は、SEOに強い記事の作り方を具体的に聞いていく。さらに、「本当は教えたくない」という分析ツールも伺った。
網羅性のあるサイトの記事の作り方は?
キーワード以外で大事なことは何でしょうか?
前回も話しましたが、検索行動が終わることですね。新たに記事を作る際には、今の1~3位の記事の内容を踏襲したうえで、さらにプラスαの独自コンテンツを入れるのが常道手段になります。他の記事がH2タグで扱っている内容も網羅する必要があります。
まさに、「競合に勝ちに行く」という世界なんですね。
「ユーザーのために」という視点も大きいです。検索した人が問題解決するためには、記事がまとまっていることが理想ですよね。ユーザーが知りたい情報にたどり着きやすくして、課題を解決しやすくするイメージです。
SEO施策として、Webサイトの読込み高速化も大事だと聞きました。
早ければ早い方がいいですね。特に、スマホで表示したときに早いことが重要です。スマホはPCよりスペックも通信速度も劣るので、遅くなりがちなんです。
スマホは基本的に1画面なので、表示が遅いのに耐えられないですよね。
そういう理由もありますね。コンテンツをリッチにするのではなく、画像の解像度を落とすなど無駄のないようにしなくてはなりません。そのために、AMP(アンプ)というモバイル最適化の手法があります。サイトをAMPに対応させておくと、スマホで高速に表示することができるんです。
SNSでシェアされる記事の作り方
SNSでシェアされやすい記事にはどんな特徴があるのですか。
TwitterやFacebookでシェアするときには見出しと画像が表示されます。それがしっかり興味を引く内容になっていることが大切ですね。Google検索する人は知りたいことが顕在化していますが、SNSユーザーは必ずしも「知りたい」ことが明確になっている状態ではないですから。まず、視覚的に興味を持ってもらうことがファーストステップとしてあり、そこにインサイトがあれば拡散やエンゲージにつながります。
自分でシェアするときにも、画像が出ないリンクは投稿しても反応が薄い気がします。また、画像に見出しが入っていた方が目を引きますね。
画像はテキストより視認性が高いので、画像内にタイトルが入っていればいろいろな人にシェアしてもらえる可能性が高まります。
あと、せっかくシェアしようとしたのに、SNSボタンがなくてがっかりすることもあります。
SNSボタンはあったほうがいいですね。特にスマホにおいてはシェアしやすいUIはとても大切です。スマホでシェアするためにわざわざURLをコピペする人はほぼいないですよね。
見出しと画像とのことでしたが、記事の中身によってもシェアされやすさは変わりますよね?
もちろんそうですね。自分の悩みが解決したうえで、新しい発見があるとシェアされやすいでしょう。
確かに、新しい発見は誰かに伝えたくなりますね。
分析ツールを使って改善していく
SEOの分析をするために、何かツールのようなものを使うのですか?
一般的に使われるのは『Google Search Console』ですね。自社のサイトを分析します。他には『ahrefs(エイチレフス)』。こちらは自社サイトだけでなく、競合サイトの分析もできます。
有料ですか?
『Google Search Console』は無料、『ahrefs』は月額1万円くらいからですね。他には、やや高いですが、『SimilarWeb(シミラーウェブ)』は競合調査に活用しています。月額10万円くらいからですね。
かなり価格の幅があるんですね。
あと、本当は教えたくないツールがあります。個人的にむちゃくちゃすごいと思っているのが『SEMrush』です。月額1万円くらいで、すごい数の機能が使えます。まだそんなに有名ではないですが、これからどんどん人気が出るでしょうね。このレポートさえあれば、SEOコンサルとかできるんじゃないかな……。
それはすごい! 教えてくださってありがとうございます! それらの分析ツールは毎日チェックするものなのですか?
本業の場合はもちろん毎日見た方がいいです。見れば見るだけ効果が出ますね。これまでに取り組んだSEO施策がどれくらい効いているかを確認して、必要ならリライトなどのテコ入れも検討します。
やりっぱなしではなく、検証していくことが大事なんですね。
すでにある程度のSEO対策ができているサイトの場合は、素早く異変を見つけることが超大事。特にSEOの流入によって事業が成り立っているような場合、1位だった記事が5位に落ちたらマイナスのインパクトが大きい。放っておくと大変なことになります。
記事の制作と改善はもちろん、順位が落ちた場合の対策もしていくのがSEOの大事なポイント。集客をSEOに依存しているなら、なおの事しっかりと対策していきたい。次回は、リスティング広告について伺っていく。
奥雄太さん
株式会社Hagakure代表。
多くのベンチャー企業の広告運用を支援し、事業を拡大させた豊富な実績あり。少ない予算でも丁寧なWeb広告運用で成果を最大化し、ベンチャー企業・スタートアップで不足しているリソースやナレッジを提供している。事業成長に必要なWeb広告スキルを学べるスクール「デジプロ(https://degipro.com/)」を運営。
栃尾江美
ストーリーと描写で想いを届ける「ストーリーエディター」。ライターとして雑誌やWeb、書籍、広告等で執筆。数年前より並行してポッドキャスターも