健診に新たなマーケティング思考で挑戦

第2回 スタッフや顧客に伝える「言葉」と「イメージ」

個室で人間ドックや健診が受けられるという「カラダテラス海老名」。その健診用施設を立ち上げたのは、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(JMA)だ。医師や看護師が受診者の個室を回るという、医療業界では画期的なこのシステムをどう形にして、どう広めていくのか、カラダテラス海老名 管理部 部長の小松英之さんに伺う。第2回目は、「言葉」や「イメージ」の力の使い方をお聞きした。

伝え広めるためのコンセプトワードとイメージ画像

栃尾:
これまでにないコンセプトの「カラダテラス海老名」ですが、新しいサービスや商品が広まるのは、難しいのではないでしょうか?

小松:
個室で健診を受けられるという魅力を、受診者さんにどう伝えるかは難しいです。まずは言葉、「コンセプトワード」が大事。Web制作をお願いしたスパイスワークスさんに提案いただいたのは「個室で検査 ワンランク上の健診を」というもの。私たちの想いを、お客様にも届くように言葉にしてくれたと思っています。

さらには、パースを作りました。出来上がる前のイメージ画像ですね。「個室」と言ってもどんなものか伝わりにくいので、空間を端的かつ魅力的に伝えるために制作したんです。これも、可視化のひとつ。わかりやすく伝えるためです。

お客様はもとより、従業員に伝えるにも効果的だったと思います。

レイアウトや内装もコンセプトに沿って

栃尾:
とても素敵なインテリアですが、そのあたりもご苦労されたのでは?

小松:
個室での健診は初めての試みなので、レイアウトを検討するのは大変でした。何十通りも考えて、シミュレーションをして、今の形になりました。さまざまな方の動きが関わるので、みんなで協力して作り上げていったんです。

もともとは、ダイエーの洋服を売っていた場所だったのですが、既存店舗のアーチ型天井を巧く活用し、白い天井を緑に塗り、ダウンライトをつけて木漏れ日のようなイメージにしました。やはり、コンセプトとマッチするように内装を決めていきましたね。

「カラダテラス」という言葉を作った

栃尾:
コンセプトを起点に、いろいろなところに生かされていますね。

小松:

「カラダテラス」という名前を付けたのも、医療業界では異例のことです。今までは病院名や、「○○健診センター」がせいぜい。「名前を付けよう」と考えるところが、パラダイムシフトのひとつですよね。

クラウドソーシングのランサーズに依頼すると、応募が約600案ありました。その中で「カラダテラス」を選んだんです。超音波やX線を「照らす」という意味もあるし、住宅の「テラス」は、人が集まる特別な場所でもあります。

小松英之
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス経営企画本部事業開発推進部。
経営企画、新事業開発の他広報活動にも携わる。

栃尾江美
ストーリーと描写で想いを届ける「ストーリーエディター」。ライターとして雑誌やWeb、書籍、広告等で執筆。数年前より並行してポッドキャスターも