クラファン・マーケティングのススメ
第4回 盛り上がりの演出でファンを巻き込む!
クラウドファンディングは、ページを作れば自動的に支援者が現れるわけではない。すでにファンのいる企業であっても、根回しやSNSの活用はとても重要。通常のやり方では届かないような人にも届けるために、どうやって盛り上げていけばいいのか。クラウドファンディング・アドバイザーとしていくつものプロジェクトを成功させてきた ぺー さんに伺った。 目標金額は可能な限り低くする 栃尾 目標金額の設定って難しいと思うのですが、 ぺー さんはどう考えていますか? ぺー クラウドファンディング(以下、クラファン)の一覧ページを見てみてください。実は、ここには目標金額は出ていないんですよ。集まった金額と、達成率だけが見られる。例えば、達成率30%のプロジェクトと、3000%のプロジェクトが並んでいたら、どっちをクリックしたいですか? 栃尾 3000%!? それっておかしくないですか? 気になります。 ペー 「桁が違うじゃん! どれだけ流行ってるの?」って思いますよね。これ実は、ふたを開けると目標金額が低いんですよ。数万円とかもある。 栃尾 えー! ペー 第2回目で説明した「All in」の場合、目標金額はプロジェクトの達成に関わりがないわけです。達成してもしなくてもお金はもらえるので。では何に関わるかと言うと達成率の「見え方」。盛り上がっているとか、流行っているという「見え方」にできれば、「良いものに違いない」「いい波に乗りたい」という心理が働きます。逆に達成率がまだ数%程度だと、不安になって支援されにくいんです。栃尾さんもガラガラでお客さんが全然いないラーメン屋より、行列ができているラーメン屋の方が「美味しいに違いない」と思って食べてみたくなりますよね? 栃尾 すごくわかる気がします! でも、低ければいいってわけでもないですよね……? 実際に価格を決めるときには、何を目安にしたらいいのでしょうか? ペー 嘘のない範囲で、低めに設定するのは問題ないとアドバイスしています。嘘だってわかるような金額だとそれも興ざめですからね。低くしておくと、「初日に達成!」というニュースを作り出すことができ、盛り上がっていることをアピールできます。それに、クラファンのプラットフォームの方で「急上昇」として取り上げられたりするなどの好循環も生まれます。 ファンを巻き込むSNS戦略 栃尾 クラファンをスタートする前と後で、どんなことをすればファンを巻き込めるのでしょうか? ぺー 事前に周囲の人や支援してくれそうな人に声をかけることが大切。例えば「50名くらいは支援してくれそう」というあたりを付けておきます。仲のいい人には、会った時やDMで直接依頼してもいい。「Yes」という返事を取り付けるのがベストですね。その時に、なんとなく、イメージとしてリターンの種類を説明しておいたり、高額な支援をしてくれそうな人にはその旨を伝えたりしておきます。 栃尾 仲のいい人を押さえておくのですね! SNSで周知するようなことも必要ですか? ぺー もちろん! SNSで「〇日からクラファンスタートします! 待っていてください。初日が大事です!」などと伝えておきます。さらに、Twitterで商品やサービスに興味のありそうな人をエゴサーチして、個別にリプライを送ってもいいですね。「〇日からクラファンをやるので、よければ支援してください」みたいに。面倒な作業なんですが、その分効果があります。その商品や会社のファンであれば、公式アカウントからリプライされたら、嬉しいはずなんです。 栃尾 確かにそうですね。スタート前はそれでいいとして、その後も、盛り上げ続ける活動がいるのですよね……? ぺー…